母親との関係が密接で良好な女性は、そうでない女性と比べてストレスコントロールに長けているという研究結果が発表されました。
カナダ・クイーンズ大学の研究チームの調査によるものです。
ストレスコントロールに関する調査内容は以下の通り。
被験者
青年期の女性66人とその母親。
調査方法
母親との関係についてあらかじめ聞き取り調査をした上で、それぞれ皆の前でスピーチを行う。
スピーチ中はすぐそばに母親がいて、スピーチの間に娘の手を握ったり離したりする。
その間のストレス反応レベルを計測する、というもの。
調査結果の概要
母親が娘の手を握っている時は、誰もがストレスをコントロールし、対処できる傾向にあった。
しかし手を握っていない時のストレス対応については、母親との関係が密接で良好な女性の方がうまくコントロールできていた。
母親との関係が疎遠な女性においては、手を握らずスピーチしている時のストレスを抑えるのは難しい、という結果だった。
調査員の一人、ジェシカ・ラフィードさんによると、「親子の密接なつながりが心の負担をわかち合い、娘が感情をコントロールしやすいように育ち、困難な状況でも精神的に打ち勝つ自信を与える」ということでした。
私のストレスコントロールが下手なのは自然のことだった
私自身の話になりますが、私はストレスコントロールが全然できていません。
人前でスピーチなんて、考えただけでも手足がふるえるし、実際過去にスピーチした時には、本当に手足がガタガタふるえ出して止まりませんでした。
見ている人たちは私の話よりも小刻みにふるえる手の方が気になって仕方なかったんじゃないかと思います。
それでは、私と私の母親との関係はと言うと…。
ものごころついた頃から、母親に対する「好き」とか「嫌い」とかの感情がありませんでした。
両親は共働きで、母は夕方帰宅すると大急ぎで夕食を作り、食べ終わったら皿洗いをし、しばらくテレビを見た後はお風呂の用意、入浴、就寝…、という生活でした。
両親がクタクタになりながらも働き続けてくれたおかげで、経済的に困ることはなかったし、大学を卒業するまで何不自由なく育ててもらったことには感謝していますが、私の中には「母親像」が育ちませんでした。
私の中の「母」の印象は、本当に薄かったのです。
自分自身が母親になった時、私は幼少期の母と自分との関係の希薄さが嫌だったので、迷わず仕事をやめました。
正社員で10年以上も働いた会社だったので、それなりの収入がありましたが、自分と娘との関係は、私と母のような印象の薄いものにしたくないという思いが収入への未練を断ち切りました。
(とは言え、もし私の母が専業主婦だったら密接な関係を持てたのか、と聞かれると、それは疑問です。母はちょっと冷たいところのある人なので、ずっと家にいたら、それはそれで嫌な思いをしたかもしれないな、とも思っています…。)
家庭の事情やキャリアを断ちたくないなどの考えから、お仕事をやめられないお母さんもおられることでしょう。
お仕事を続けながらの育児は本当に大変です。
「子供なんてかまってられない」と思うこともあるかもしれません。
けれども、思春期頃まで、特に幼少期の母親との関係は、生涯にわたって子供の性格に影響するようです。
幼少期にしか与えられない愛情もあります。
今は大変かもしれませんが、将来の母娘関係を思って、そして「育児が大変な時期はずっとは続かない」と考えて、小さい時ほどお子さんとの関係に目を向けてあげて下さい。
きっと10年後、20年後、あの時子供との関係を投げやりにしないで良かった、と思える日が来ますよ。