思春期の子供を持つ親の大きな悩みのひとつに、『子供の反抗期』があげられるでしょう。
子供は成長過程の中で何度か反抗期を迎えますが、中学生・高校生くらいの思春期の反抗期は、それまでのものとはかなり質が異なり、本格的なものになってきます。
親としてどう対応し、どう乗り越えていったら良いのでしょうか…?
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反抗期は子供が自立するための大切なステップ!
そもそも思春期の反抗期は、親、特に母親に依存している状態から少しずつ成長して離れていき、自立をする方向へと向かう人生のステップです。
心も体も、子供から大人へと急激に変化していく中で、ホルモンバランスの崩れによるイライラも手伝い、まるで別人にでもなったかのように人格が変わってしまうお子さんも少なくありません。
『以前はとても良い子で、仲良し親子だった』というご家庭も多いことでしょう。
親としては、かわいい我が子のあまりの変貌ぶりにショックを受けてしまいますが、成長する中での自然の変化なので、心配する必要はありません。
反抗期に親が子供を押さえつけると…?
反抗期が始まると、仲良しだった頃がなつかしく思われ、何とか子供との距離を埋めようと頑張ってしまいがちですが、距離を縮めようとする行為はことごとく裏目に出ると思ってまず間違いありません。
たとえそれが子供のためを思って・良かれと思ってのことであっても。
親のすることや、『親から教わった常識』に子供が反発するのは自立の現れなので、反抗そのものをやめさせる必要はありませんし、そもそも親の力でやめさせることはできません。
むしろ、態度を改めさせようと親が強い態度に出たりすると、子供はそれまでよりもっと強く反発してしまいます。
もし仮に、親の権力や腕力で子供の反抗期を押さえつけることができたとしたら、それは親に従っているのではなく感情を押し殺して隠している状態。
抑え込んだ感情は心の中で蓄積されて深刻化し、数年後により強い反発となって現れたり、高校卒業や大学卒業を機に親元を離れ、絶縁状態になってしまう…というようなケースも少なくないのです。
子供の心の葛藤を理解する
思春期は、まだ親への依存心が残っていることから、その依存心と自立心が対立して、自分の中で葛藤を生みます。
そして心が不安定となり、反発となって現れてしまうのです。
親としては、『声をかけただけでイライラされた』『忘れ物の心配をしただけで怒鳴られた』という理不尽な状況に、こちらもイライラしてしまいそうですが、子供の心の中で起きている自立への戦いを理解し、そっと静かに見守りましょう。
複雑な心の中を親に読み取られるのを嫌い、親に知られてしまうことに強く抵抗を抱くのが思春期の反抗期の大きな特徴です。
『反抗するのは普通のこと』であるととらえ、子供の心に気づいても気づかぬふりをしながら何食わぬ顔で過ごしましょう。
『母親としての人生』から『ひとりの人間としての人生』へ切り替えを
反抗期の子を持つお母さんは、自分自身も子離れして成長することが求められます。
母親は、子供が小さい頃に、女性として・母として、これ以上ない幸せな時間を過ごします。
そして漠然と、『そんな幸せな日々がこれからもずっと続いていく』と考えてしまいがちですが、現実には子供はやがて自立して親から離れていきます。
お母さん自身の精神状態を保つためにも、ある時期で子離れして、家族とは別の『自分だけの世界』を作っておくことが必要になってきます。
その時が今来ているのだと覚悟を決めて、『子供が自立した後の自分の人生設計』に目を向けるようにしましょう。
『子供の反抗期が終わって元の仲良し親子に戻れる日』を心待ちにしてしまうと、とてもつらい反抗期を過ごすことになってしまいますから、『もう子供に関する自分の出番は終わった』と、一旦子育てに区切りをつけてしまいましょう。
その方がお母さんの気持ちも、ずっと楽になるはずです。
間違ったことには毅然とした態度で臨む!…けど、ギリギリまでガマン!
子供が反抗的な行動から、社会的・法律的に間違ったことをしている時には、親として毅然とした態度で注意することが求められます。
ただし、『明らかに悪いことをしている』というギリギリのラインまでは、口出ししません。
『それ、違うんじゃないかな?』というレベルの事に口をはさむのはガマンしましょう。
子供にとっては親の言うことはズレているかもしれないし、実際に親が正しいとは限らないし、真実は一つではないことも世の中には多々あります。
あいまいなことに関するジャッジは、子供に任せましょう。
どうせ言っても聞きませんから(笑)。
また、子供の要求を全て受け入れる必要もありません。
ダメなものはダメ、できないものはできないと、ブレない態度でいることが肝心です。
思春期・反抗期のあらわれ方は色々!他人と比べる必要なし
激しい反抗期のわが子に振り回され、心をかき乱される一方で、ずっと仲良し親子のままでいるご家庭をみると『どうしてうちの子だけが…』と思ってしまうこともありますね。
そういう家庭も普通にあるし、強い反抗期を迎える子も普通にいる、というだけのことです。
子供の性格に個性があるように、思春期・反抗期のあらわれ方も十人十色、千差万別。
『我が家だけ子供が反発している』というわけではなく、ごく当たり前のことが起きているだけなので、親も不安がることなく、ゆったりとした気持ちで余裕をもって見守る姿勢が大切です。
とにかく、ひたすら見守ること。
それ以外に、親にできることはあまりありません。
そして、自分自身も自立すること。
それだけです。
いつまでもこの状態が続くわけではありません。
反抗期は、数年で必ず終わりが来ます。
子供の自立と自分の自立という未来に心を向け、どんな将来になるのかを楽しみに思い描きながら生きて行きましょう。